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日本の小平奈緒選手と韓国のイ・サンファ(李相花)選手。
同じ種目で競ってきたライバルでありながらも、友情を育み続けてきました。
5月に小平選手のふるさと、長野県で対談が実現。その様子を独占取材することができました。
「私たちはトモダチ」。
対談の中で出たこのことば。その意味を読み解きます。
(スポーツニュース部 記者 猿渡連太郎)
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「チャレッソ」
「よく頑張ったね」
2018年のピョンチャンオリンピック。
スピードスケートの女子500メートルで、金メダルを手にした日本の小平奈緒選手と、オリンピック3連覇を期待されながらも敗れた韓国のイ・サンファ選手。
『世界最速』の座を争った直後に寄り添う2人の姿は私たちの記憶に深く刻まれました。
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1998年の長野オリンピックをはじめ、数々のスピードスケートの大会が行われ、小平選手が長年、練習拠点にしている場所です。
小平選手にとって言わばホームスタジアムですが、この日のスケートリンクは夏期休業中のため見慣れた氷は張られていないうえに、小平選手の姿はジャージでもレース用のスーツでもなく、私服。
シャツに、紺色のワイドパンツ、足元はスニーカーでした。
「あまり私服は持っていないんですけど、リラックスできる格好で来ました」
同時刻、イ・サンファさんがエムウェーブに到着しました。

「奈緒と会えると思うと、ワクワクする」
2013年にマークした女子500メートルの世界記録はいまだに破られていません。
2019年、長年酷使してきたひざが限界を迎えて現役を引退しました。

発表の会見の中では、ライバルだったイさんについても言及していました。
「引退することはメールとかメッセージで伝えることではないと思うので、次、サンファに会えた時に報告ができたらいい」
オリンピックを取材してきたNHKの取材班を中心に双方にコンタクトを取り、実現したのが今回の対談でした。
イさんからの要望で「ラストレースに向けて練習している奈緒に負担をかけたくないし、彼女が育った場所を見たい」と、対談場所は長野に決まりました。
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「奈緒だ、奈緒ちゃんだ」
「元気だった?」


小平選手はイさんのお気に入りのアニメグッズをプレゼントしました。
1986年生まれの小平選手に対しイさんは1989年生まれですが、このあとも2人の間に年の差を感じることは全くありませんでした。
「後輩なのに、サンファはいつもしっかりしているね」
「年齢は関係ないよ」
当時は小平選手が中学生、イさんが小学生。

その後、2人はそれぞれの母国の代表選手に選ばれ、ドイツで行われた国際大会のロッカールームで初めて会話を交わしました。
「奈緒が『私のこと覚えている?』って話しかけてきて、ちょっと考えて思い出したんだよ」
「ずっとサンファと話してみたいと思っていてね、勇気を出して話しかけた。たしか写真撮ったよね」



その背中を小平選手は追いかけ続けていました。
スケート強豪国のオランダに留学するなどして滑りを磨いた小平選手。
その努力が結果に結び付いたのが2014年のソウルで行われたワールドカップでした。

しかし、その結果以上に小平選手の記憶に残っているのが、レース後の出来事でした。
このとき、小平選手は留学先のオランダにすぐに戻らなければなりませんでしたが、競技会場から空港に急いで向かいたいものの、タクシーの呼び方が分からず困っていました。
そんな小平選手に声を掛けたのが、イさんだったのです。
「タクシーを呼んでくれたうえに、韓国のタクシーはカードが使えないからって現金を渡してくれた。本当は悔しいはずなのに、私に気をつかってくれた」
「それが大きな意味を持つとは思っていないよ。当然のことをしたまでで」

例えば、カメラが回っていない、ふとした休憩時間には小平選手が「疲れてない?大丈夫?」と声をかけて、長時間の移動で来日したイさんの体調を気遣いました。
イさんは、小平選手が大会直前にけがをしたため思うような滑りができなかった北京オリンピックのレースの映像を見る際、小平選手の気持ちを思いやり「奈緒は今これを見て大丈夫なの?」と声を掛けていました。
そして、2人が初めて語ったというピョンチャンオリンピックの際のエピソードも私たちを驚かせました。

「奈緒はあのとき好調だったから、邪魔をしたくなかった。迷惑になると思って。だから奈緒を見てもいつもどおり話しかけなかった。ごめんね」
「初めて知ったよ。少しよそよそしく感じてはいたけど、サンファが緊張していたり、母国開催のオリンピックだからすごいプレッシャーの中で集中を高めているのかなって思っていたから」
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その答えのヒントは対談の内容が「スポーツが平和の助けになるのか」というテーマに及んだときに、小平選手が語ったことばの中にありました。
「違うということに対して、避けてしまう気持ちが多くの人にあると思うんですけど、違うことは特別ですごく価値のあること。文化やことばなど、違いを知ろうとすれば、必ず似ていると感じる部分が出てきます」

そのために、会話がしやすいようにと、出会った頃から相手の母国語を勉強してきたといいます。
今回も、長時間に渡る対談や細かいニュアンスを伝え合うときは通訳を介しましたが、そのほかのほとんどの時間は、日本語や韓国語、それに英語を交えて直接、会話をしていました。
分からないことばがあれば「これは韓国語(日本語)では何て言うの?」と相手に聞く姿が印象的でした。
そして、互いの似ていることの話題になると会話が途切れることはありませんでした。
負けず嫌いなところ。
優勝したことが分かっても大きなガッツポーズをほとんどしないこと。
大切なオリンピックの前にけがに悩まされたこと。
ロッカールームで準備をするときはきちんと服をたたむこと。
共通点を見つけるたびに、2人の間に笑顔が広がっていきました。

それが「ナンノルミド」。
意味は「あなたを信じている」。
互いの違いを理解し合う2人は、これからも互いの似ているところをいくつも見つけ出しながら、友情を育んで行くに違いないと確信しました。

猿渡連太郎
2013年入局
宮崎局を経て現所属
2年前からスピードスケート担当
北京オリンピックは現地で取材
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